雑誌「レタスクラブ」で連載されていた「離婚してもいいですか?翔子の場合」が最終回ということで、ワクワクして読みました。
読み終わったら、
なぜか涙が溢れて止まりませんでした!
今まで、「主人公ウジウジしすぎ!」「この夫最悪!」とイラつきながら読んでいたのが、まさか泣けるなんてねー。自分でも意外でした。
こちらのサイト↓で途中まで公開されていますので絵柄の雰囲気を知りたい方はこちらもどうぞ。
▶離婚してもいいですか?翔子の場合|野原広子|コミックエッセイ劇場
早速、ネタバレ有りの最終回感想レビューいきます!
※ネタバレを読む前に!※
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「離婚してもいいですか?翔子の場合」最終回あらすじ(ネタバレ有り)
今までの連載は2ページずつだったのが、最終回はなんと一気に96ページまとめて掲載でした。
登場人物
- 翔子・・・専業主婦。夫が大嫌いだけどそれを表に出さずいつもニコニコしている。
- 翔子の夫・・・モラハラ気味。翔子をバカにしている(実は職場のストレスをぶつけている)。
最終回前までのあらすじ
夫の心無い言葉や態度にじわじわ追い詰められた翔子は、とうとう心療内科に行くことに。
そこで医師に「仕事をはじめましょう」とアドバイスを受ける。さらに医師の指摘によって、自分が夫に不満を言えないのは幼い頃に父親にビクビクしていた経験からだと気付く。
パートを始める翔子
翔子は介護の仕事をパートで始めます。
褒められたのは初日だけで後は怒られてばかり、でも「絶対に離婚するんだ」とめげません。
この職場にはバツイチやシングルマザーが多くいることを知り、先輩のアドバイスもあり、資格を取ることを決意します。
でもまだ夫への不満は口に出せません。
母親みたいになりたくない!
資格が取れて仕事にやりがいを感じる翔子。
実家に帰り子どもたちを遊ばせていると、自分には厳しかった父親が孫には優しくしています。
母親に「離婚したいと思ったことはない?」と聞くと「いろいろあったけど今は幸せ」と答えが返ってきました。
翔子は、「それはウソ」「自分は不幸じゃないって言い聞かせてるんだ」「私は母のようになりたくない!」と思います。
幼い頃、すぐ手が出たり不機嫌になる父親に振り回されていた。母は「お父さんの機嫌が悪くなることをしては駄目よ」とただニコニコしていただけ。
夫に思ったことを言えない今の自分を作ったのは、そんな幼い頃の生活が原因だったと気付いた翔子。
夢の中で父親に怯える小さい翔子に代わって、成長した今の翔子が「お父さんなんて大嫌い!」と叫びます。
翔子、家を出る
ある日の帰り道、翔子は夫の車がとあるアパートの駐車場に停められているのを発見します。
子ども達を弟に預け、翔子は勢いでそのアパートに突撃します。今はまだ離婚したら困る!という気持ちで。
ドアから出てきたのは、エプロンをしてお皿を洗っている夫でした。
「あんたなんかいらない!離婚だよ!」
翔子の口から出たのは自分でも思いがけない言葉でした。
うちでは一度もやったことないのに、よその家でお皿を洗っている夫の姿を見て、翔子は離婚を決意します。そして、荷物をまとめて家を出ました。
父親に心の内をぶつける
そのまま弟の家でしばらく暮らすことにした翔子。
誰かが訪ねてきました。もしかして夫?と思ったら、訪ねてきたのは父親でした。
家出した翔子を責める父親。そこで翔子は父親に初めて自分の心の内を叫びます。
「いい子っていうのはお父さんの言うことを聞く都合のいい子ってことだよ!」
「私がこんなニコニコしてるだけで中身のない人間になったのはお父さんのせいよ!」
それを聞いて父親は「ごめんな」と謝りました。思ってもみなかった反応に、翔子の胸の中のモヤモヤが流れていきました。
「夫にもこうやって怒りや辛さをぶつけていたら、こうはならなかったのかもしれない」、と翔子は思います。「もう遅いけど」、と呟く翔子。
翔子の怒りに驚く夫
一方の夫は、翔子が初めて自分に見せた怒りに、驚きと同時に面白さを感じていました。いつもの翔子はごまかすような笑顔しかしていなかったから。
そこへ自分の姉が訪ねてきます(翔子と同じように家族への不満から家出をしたらしい)。
姉の発言から、「翔子が家を出たのはアパートの件だけではないのかも?」と思い、家の掃除を始めます。
翔子の離婚宣言
翔子が荷物を取りに久しぶりに家に帰ると、家がピカピカに片付いていました。
そこへ現れた夫。「あのアパートはシングルマザーをしている女友達の家で、指をケガした彼女の替わりにあの日はたまたまお皿を洗っていただけ」と釈明します。
しかし、「あれはきっかけに過ぎない」「いつもあなたは私を見下していた」「ごはんの点数つけられるのが嫌だった」「そんな生活もう限界」「だから離婚したいの」と言い切る翔子。
夫は「離婚したくない」「悪いとこ直すから」と謝りましたが、父親の時と違ってそれを聞いても翔子のモヤモヤは流れませんでした。
なぜなら「子どもたちに(友達のシングルマザーみたいな)あんな生活させたくないんだ」という夫の発言に、がんばっているシングルマザーをバカにする夫の心の浅さが透けて見えたからです。
夫のことなんかもう知らない、私は私のために生きる。
結局、離婚しなかった翔子
なかなか住むところが見付からず、正社員になったら夜勤があるのでそうすると子どもたちの預け先がないことにも気付きます。
弟に「お母さんも昔家出をして戻ったことがある。その時からお父さんは丸くなった」と言われ、考え直して家に戻った翔子。
家には戻ったけど前の自分とは同じじゃない。仕事を始めたし、夫に怒りをぶつけられるようになった。
「がんばったな、自分」と寝る前に布団の中で涙すると、今度は小さかった頃の翔子が頭をナデナデしてくれました。
翔子は正社員になりました。
今までは不満があってもいつもニコニコしている自分が嫌いだったけど、介護の仕事では逆にそれが役立つことに気付きました。
夫はすっかり家事や育児を手伝うようになりました。たまに「今日のおかずこれだけ…」と以前のようなモラハラ気味な発言があっても、「文句があるなら食べないでいいよ」と軽く言えるようになった翔子。
仕事と子どもたちの世話で忙しく、夫のことでイライラする時間は今の翔子にはもうないのです。
愛はないけどこれはこれで幸せ
家族4人で公園に出掛けます。ソフトクリームを家族で分け合って食べるけど、夫の後は食べたくない。夫への愛はありません。
生活のためと割り切って家族すればいい、今は私の心と子どもの心を守れればそれでいい。
夫と子どもたちが一緒に遊ぶ姿を見て、「これはこれで幸せ、ここに愛があったらもっと幸せなんだろうな」と、隣の仲良さそうなキラキラとした家族を見てうらやましく思います。
「でも、あの奥さんももしかしたら私たちを見てそう思っているのかも?」そう思う翔子なのでした。
「離婚してもいいですか?翔子の場合」感想
完璧な幸せなんてないのかも・・・
読み終わって、涙がどわーっと溢れてきました。
「翔子、強くなったね!よかったね!」
「翔子、あんた本当にそれでいいの?」
という2つの相反する感情。
このお話は夫婦関係がテーマだけど、夫婦に限らず人生って100%幸せなんてない、どこかで少し諦めて自分を納得させている、そんなものかもしれません。
翔子のがんばりを知ってるだけに、切ないわー。
徹底的にリアルな展開
最終回の前まで読んでいて、「働いたら自分に自信が持てて、そしたら夫が自分のことを認めるようになって、めでたしめでたし、なーんて展開になったら嫌だなぁ。」と、思っていたのですが、そんな安易な展開にはなりませんでした。
それまで徹底的にリアルな夫婦生活を描いていたけれど、最終回ぐらいはお花畑ファンタジーで終わらせるかも?なんて心配していたのですが、いやー、さすが野原広子さんです。
- 働いたら働いたで嫌なことはたくさんある
- 夫への愛情は戻らない
- 夜勤の時に子どもを見る人がいないから家出から戻る
- 愛情はないけどそれなりに平和だから離婚しない
そんなところも書かれているところが現実的でよかったです。
ほのぼのした絵柄に隠されたリアル過ぎる描写
特にグッときたところは、「小さい頃に父親に怒られて我慢していた自分を、大人の翔子が替わりに「大嫌い!」と叫ぶ場面と、「家出から戻っていろいろがんばった自分を、小さい頃の自分が頭ナデナデする場面」ですね。
そこだけ背景が真っ暗で反転して、心に迫るんですよ。
この漫画ってほのぼのしたかわいい絵柄なんだけど、実はそれは羊を被った姿で中身は心をグサグサえぐる狼。
翔子のウジウジした性格も、夫のモラハラも、親子関係も、本当にリアルです。
この記事では割愛したけど細かな伏線が張ってあったり(特に夫のお姉さんが訪ねてくるところ)、セリフの1つ1つに無駄がないし、この作者天才かも?って思います。
夫の本心は・・・?
で、こうやってあらすじを書いてて気になったんですけど、最終的な夫の本心ってどうだったんだろう?と。
この漫画の面白いところの1つが、主人公翔子の心の内と、夫の心の内が交互に出てくるところだったんですね。翔子が夫に家事のことで責められていた日、実は夫は職場でミスをして責められていたり(そのストレスを翔子にぶつけていただけとわかる)とか。
それが翔子が夫に改めて離婚を宣言するところから、夫の心の内は一切描かれていないんですよ。
これきっと、わざとですね。
夫は「悪いところを直すから離婚しないで」と謝ったけど、本心はどうだったんでしょうか?
その時にポロっと言っていた「子どもたちに(女友達のシングルマザーみたいな)あんな生活させたくない」、それが本心?
それとも、本当に今までの自分のことを反省し翔子のことを認めた?
マンガの中でそこは全く言及されてないし、翔子ももう夫の心に関心がありません。
最後の場面で翔子は、隣のキラキラ家族の奥さんに「もしかして私と同じこと考えてる?」と思ったけど、もしかしたらそれは夫も同じなのかも。
夫も「家事と育児の手伝いさえすれば平和だから、妻への愛情はないけど割り切って家族のふりをしとこう」そう思っている???
そう考えるとまたゾワーっと怖くなるマンガでした。
まとめ・「離婚してもいいですか?翔子の場合」はほのぼの恐怖漫画!
私はこの漫画で初めて野原広子さんの作品に触れ、すっかり魅了されてしまいました!
他の主婦が主人公のエッセイ風(?)コミックとは一線を画します。
ぜひ読んでみて下さい!
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今品の前身となる作品「離婚してもいいですか? 」(こっちの主人公は志保)もあります。
こちらもまた違った面白さなのでぜひ!
他にも野原広子作品のレビューを書いてます。
9月に発売されたばかりの最新刊も早速読みました。離婚後の話しはとってもレアなのでは?
こちらは現在連載中の作品。結末がとっても気になる!途中までの感想を随時更新しています。
「消えたママ友」はママ友関係だけでなく、育児、夫婦、嫁姑関係までリアルな描写の作品です。サスペンス調でゾクゾクします。
「妻が口をきいてくれません」はTwitterで超バズッた作品。妻と夫のどっちが悪いか、正しいか、どっちもどっちなのか、考えさせられます。
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他にも主婦向け漫画のレビューをしています。よかったらぜひ!