「夫がいても誰かを好きになっていいですか?」というコミックエッセイ(漫画)をご存知ですか?
広告に出てきて、気になったので電子書籍を購入して一気に読んでしまいました。
「ぱぁぁぁ…」「きゅぅぅぅ…」など、作者独独の擬音がクセになります(←読んだ人にしかわからないネタw)。
あらすじと感想を書きます。ネタバレしてるので読みたくない人は気を付けて!
連載は途中までこちら↓で読めます。
最終回が気になる方は単行本&電子書籍もあります。
「夫がいても誰かを好きになっていいですか?」あらすじ
登場人物
- 今井ハル ・・・ 主婦。夫の転勤で大阪へ。本屋でバイトをはじめる。28歳
- 今井マコト ・・・ ハルの夫。仕事が忙しく家ではテレビかゲーム。
- 後藤アラタ ・・・ 本屋でバイトをする大学院生。24歳
大阪の孤独と、セックスレス(1話~5話あらすじ)
結婚3年目のハルは夫マコトの転勤で大阪に引っ越してきた。友達も知り合いもいなくて孤独。
夫とは1年以上セックスレス。
原因は、温泉旅行の時に疲れていて夫からの誘いを断ったから。
それ以来夫から全く誘われなくなり、普段から素っ気ない態度に。
それでも夫しか頼る人がいないハルは「私は十分幸せなんだ」と自分に言い聞かせる。
夫と休日遊ぶのを楽しみにしていたら、夫に「自分の世界を見つけたら」と言われてしまう。
大学院生「後藤さん」との出会い(6話~13話あらすじ)
本屋さんでパートをはじめることにしたハル。
そこで同じ時間帯にアルバイトをしている大学院生、後藤アラタ(後藤さん)と出会う。
ぶっきらぼうな態度に最初はムカつくも、後藤さんのことがだんだんかわいく思えてくる。
夫の帰宅後、パート初出勤のことを興奮して話すも
「久しぶりに外で働いて浮かれてるのもわかるけど、オレは一日中働いて疲れてるんだから気遣って」
と言われてしまう。
「お金を稼いでる方に気を遣わなきゃいけないのなら、私の話しはいつ聞いてくれるんだろう…」と涙ぐむハル。
次の日、帰り道にひょんなことから後藤さんにジュースをおごってもらう。
家に帰ってからお礼のLINEを送るが、それだけでドキドキしてしまう。
返事が来るまでソワソワし、夫に話しかけられても上の空。なぜか夫にスマホを隠さなきゃという気持ちになってしまう。
夜中になりようやく返信が来た。
夫と一緒のベッドに横になりながら、背中を向けてLINEのやり取りを続ける。
「妻が夫の隣で異性とLINEのやり取りするなんて変だよね…」そう罪悪感を覚えるハル。
結婚してるなんて、言えない…(14話~18話あらすじ)
LINEのやり取り以来、後藤さんと何度も目が合ってしまう。
「私が見てるから目が合うの?それとも…」
バイトの飲み会が開かれる。そこで大阪に引っ越した理由を聞かれるも、はぐらかして「夫の転勤」とは言えなかったハル。
結婚していることを後藤さんに知られたくなかったからだ。
公園で酔いを覚ましていると、ふいに後藤さんが現れる。そして水を渡された。
「もしかして私のためにわざわざ…?」
後藤さんにも大阪に来た理由を再び聞かれて、やはり既婚者であることは言えなかった…。
初めてのデート、実は私…(19話~25話あらすじ)
飲み会から帰宅すると、夫はテレビに夢中で無関心。それどころか「お風呂入れて」「お茶入れて」と家政婦扱い。
後藤さんの方がよっぽど気遣ってくれる。
その夜もずっと布団の中で後藤さんとLINEで他愛もないやり取りを続ける。
そしてとうとう映画に誘われてしまうハル。
「結婚しても異性と映画に行くくらいならアリじゃない…?」
後藤さんと会う前日、洋服を買い、美容院に行き、1日で3万円も使ってしまう。
約束の当日。
映画を見ていても後藤さんのことが気になって内容が全然頭に入ってこなかった。
帰り道、「後藤さんのメガネとったところ見てみたい!」とねだるハル。
恥ずかしながら眼鏡を外す後藤さん。
眼鏡を外した後藤さんにキュンとするハル。
「メガネをとった後藤さんがかっこよくて…」
「今井さんって恋人とかいるんですか?」
とうとうハルは結婚していることを告白する。
僕だったらもっと大事にするのにな(26話~31話あらすじ)
結婚してることを告白しても、後藤さんは怒らなかった。それどころか晩御飯の支度を心配してくれた。
「私は妻より家政婦って感じです。正直、夜の生活もありません。」
つい余計なことを喋ってしまうハル。
「かわいそうです。僕は亭主関白が嫌いです。お茶くらい自分で入れればいい。」
「私は今はパートをしてるけど専業主婦で養ってもらってる立場だから…」
「家事も立派な労働ですよ!家庭内に上下関係を持ち込むと女性が苦しむだけです。僕だったら…。」
「僕だったら?」
「もっと大事にするのにな、って。変な意味じゃないので忘れて下さい。」
キュンとするハル。
そこで突然、ハルはセミの死骸を踏んでしまう。虫嫌いなハルは怯える。
動けないハルに後藤さんが手を貸してくれる。しばらくそのまま手をつないで歩く。
人妻だと知って、後藤さんはもう会ってくれないんじゃないかと、急に寂しくなるハル。
「後藤さん、変なこと聞いていいですか?また2人で会ってくれますか?」
「もちろんです」
ほっとするハル。
つい遅くなってしまい、夫に何と言い訳しようかドキドキしながら帰宅するハル。
後藤さんのLINEのプロフィールを女性のものに変更し、家の前のコンビニでビールを購入し急いで飲んで、飲み会帰りを装う。
帰るなり、夫から「お風呂入れて、アイロンかけて」と命令されるハル。
「酔って頭が痛いからアイロンがけは明日でいいかな?」
「それはおかしくない?家事はハルの仕事なんだから、遊び疲れて仕事出来ないなんておかしいでしょ?」
後藤さんの「僕だったらぼっと大事にするのにな」の言葉が頭にリフレインする。
不倫相手はソウルメイト…?(32話~35話あらすじ)
後藤さんに自分が既婚者であることをやっと伝えて、改めて自分が後藤さんとどうなりたいのか考える。
夫と離婚?
世間の人はDVとか浮気とかもっと大きな理由で離婚してるのに、そんなこと出来ない。
それに離婚したからといって後藤さんと一緒になれるとも限らない。
そしたら私はバツイチ…。きっと後悔する。
あれから初めての後藤さんと同じ時間帯のパート。
後藤さんはコンタクトレンズで現れた。
「もしかして私がメガネとった方がいいって言ったから…?」
自分が後藤さんのことをどうしようもなく好きなことを再確認するハル。
お客さんが買った本の表紙に「不倫相手はソウルメイト」という言葉を発見する。
自分と後藤さんはソウルメイトなのかもしれない…、そう思うハル。
2人はついに結ばれて…(36話~48話あらすじ)
後藤さんと次のデートの約束をした。
エステに行き、基礎化粧品の高額なセットまで購入してしまう。
エステでメイクしてもらったハルを見た夫が「最近キレイになったね」とキスをしてきた。
ハルは夫のキスを気持ち悪く感じてしまう。
後藤さんとのデート当日、話の流れで後藤さんの家で手料理を作ることになるハル。
2人っきりの部屋で互いを意識しながらも楽しく過ごす。
夜10時を過ぎ、「夫が待つ家に帰りたくない」と言うハル。
「好きにしていいですよ」と後藤さん。
後藤さんに抱き着くハル。
「なんでもっと早く僕と出会ってくれなかったんですか」
「後藤さんとひとつになりたいです」
「今日だけにしましょう」
「わかってますよ」
ついにベッドで結ばれる二人。
後藤さんの寝顔を見ながらハルは
「どうして私は心の底から好きな人と結婚しなかったんだろう。
行き遅れたくないから、スペックがいいから、そんな消極的な理由でパートナーを選んでしまった。
心の底から愛してる人なら一緒にいられるだけで幸せなのに…」
と涙を流す。
分岐点(最終回あらすじ)
これからまた今まで通り友人として付き合うことを約束するハルと後藤さん。
帰宅すると、夫は朝帰りしたことを何も怒らず、これから友達に会いに出かけてくるという。
ハルは疲れて少し横になり、起きてから気晴らしに街に出かける。
後藤さんとLINEでやり取りし「やっぱり友人としても楽しい。これからは夫とがんばろう」
そう思いながらふと見るとそこには夫の後ろ姿が。夫も街に出ていたようだ。
話しかけようと近づくと、隣に女性が来て、
「ねぇマコト!私今度は○○ホテルのコース食べた~い」
夫にも浮気相手がいたのだった。
「夫がいても誰かを好きになっていいですか?」の感想(ネタバレ有り)
炎上狙い?モラハラ漫画が増えている
最近、この手の漫画が増えていますね。
DVや浮気はない(今回の場合は最後に浮気してたのがわかるけど)けど、横柄な態度でモラハラする夫。
離婚するほどじゃないけど…、でも幸せじゃない妻。
代表的なところでいくと「離婚してもいいですか?翔子の場合」「夫の扶養を抜け出したい」とか。
どちらもTwitterで話題(炎上?)になりましたね。
この「夫がいても誰かを…」も同じ路線を狙ってのものだと思います。
でもね、SNSで炎上しやすいのって、どっちがいいか悪いか、男と女みたいな立場によって意見が変わったり、その線引きが絶妙な場合に議論が白熱すると思うんです。
しかしこの作品の場合、どっからどう見ても
「既婚者であることを黙って年下の大学院生に粉掛けた主人公ハルが悪い!」
で結論出ちゃいますからね。
だから炎上しませんでしたね(笑)
不倫の是非、その前に主人公ハルがアホ過ぎる…
私は「不倫は絶対ダメ!」とは思いません。
もちろん自分や自分の大事な友人はダメだけど、芸能人とかフィクションなら好きにやってと思います。
でもこの主人公のハルはダメだ!なぜならアホ過ぎるのです。
「私と後藤さんはソウルメイト…!」と思う理由が、同じ漫画の同じ箇所が好き。ってだけ(笑)
男の一人暮らしの部屋にヒョイヒョイ入っていく。
体の関係を持ってからも友人として付きあおう、なんてそんなわけないじゃん?って。
極めつけは夫と結婚した理由が「行き遅れになりたくないしスペックがよさそうだったから」って…。
行動の全てがゆるふわで、イラっとくるのです。
最終話で夫にも浮気相手がいたことを知ったのは、自業自得過ぎますね…。
最終回の感想、この後ハルはどうなる?
結末で、夫の腕にまとわりつく女性(浮気相手)の姿を見て、ここで唐突に終わります。
その後は一切描かれていません。
「夫に詰め寄るのか、見て見ぬふりをするのか」
「後藤さんと付き合うのか、夫と向き合うのか」
「離婚するのか、しないのか」
想像力を掻き立てられるいい結末だったと思います。
この後ハルはどうなると思いますか?
ここでポイント!
後藤さんはアルバイト中の大学院生、哲学科で就職に有利ではない、公務員試験に失敗して、この先も経済力があるようには思えません。
ハルと後藤さんがゲームセンターでデートしてたのに対し、最終話で出てきた夫のマコトと浮気相手はホテルのコースデートの約束をしてたのが、象徴的でしたね。
気楽なパートで、ちょっとしたことですぐに浪費(エステや化粧品)してしまうハルが、後藤さんとの生活を選ぶことはないでしょう。
きっとこのまま、後藤さんとの気楽な恋愛を楽しみ、生活するのは夫、という人生を選ぶでしょう。
そして後藤さんが就職して忙しくなったり仕事のストレスを抱えるようになったら、自然正面するのではないでしょうか。
なんて、現実的過ぎる結末予想ですかね…(笑)
まとめ
「夫がいても誰かを好きになっていいですか?」の最終までネタバレありの感想を書きました。
2人の恋愛部分はかなり割愛してます。あらすじだといきなり急展開ですが、実際の漫画を見るともう少しスムーズに恋愛が展開しています。
サクッと読めるので一度読んでみては?