大ファンの野原広子さんの昔の作品、「娘が学校に行きません」を読んでみました。
作者娘さんの実話だそうです。
Kindle Unlimited対象になっていたので無料で読めたんですよ♪
レタスクラブ公式サイトでも、23話までなら公開されていますので絵柄や作品の雰囲気を知りたい方は覗いてみて下さい。
我が家の子どもは小学生と幼稚園生。不登校はどこの家庭でも他人事じゃありませんよね。
もしかしたらいつか我が家も…、なんて思って予習のつもりで読みました。
そしたらただの実録ハウツーモノではなく、読み終わった後に「じ~ん」と感動してしまいました。
さすが身近なモヤモヤを的確に描写する野原広子さんだ!
そんな「娘が学校に行きません」のあらすじと感想を、ネタバレ有りで紹介します。
「娘が学校に行きません」は今ならKindle Unlimitedで無料で読むことができます。
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「娘が学校に行きません」あらすじ(ネタバレ)
登場人物
母・・・娘の不登校に悩む母親、職業は漫画家
娘・・・小5の女の子、元々は元気な性格だがある日突然不登校に
父・・・単身赴任中で家にいない
ハル君・・・娘の幼馴染の男の子
担任の先生・・・娘の担任の先生、新任で熱血タイプ
保健室の先生・・・娘を導いてくれる保健の先生
小児科の先生・・・かかりつけの医師、不登校問題に熱心
校長先生・・・女性の校長先生、「あせらずに」とアドバイスをくれる
ある日突然学校に行けなくなる娘
「お母さん、今日だけでいいから学校一日休ませて」
ある日突然娘が言ってきた。
「明日は必ず行くから」そう約束するも、その日から全く学校に行けなくなってどんより暗くなる娘。
夜になると元気になるが、朝になるとまた泣きながら「学校行きたくない」と。
困った母は、学区外のママ友、電話子育て相談、ネットの掲示板などに相談する。
そのどれも答えが違い、ますます行き詰まる。
それから学校の話をすると喘息の発作が出たり発熱したり、体調にまで影響が出るようになってきた。
学校に行けない理由
さすがにおかしいと担任の先生が様子を見に来る。
先生によると登校拒否の原因は「友達グループで順番に仲間外れをしてたみたいで、もう終わりにしようと話し合いをしました」とのこと。
(そしてその友達グループはバラバラに)
夏休みが近かったのでそのまま「早めの夏休み」ということで思い切って休ませることに。
しばらく充電すれば元気になる、そう思っていたものの、ダラダラ過ごしてすっかり昼夜逆転生活。
夕方に担任の先生が宿題を持ってきてくれるも隠れ、やはり学校関連の話題を出すと途端に体調が悪くなる娘。
不登校中の夏休み
夏休み、今までは自分だけ学校を休んでいたが、みんなも学校が休みになったことで親も子もほっとする。
しかしラジオ体操や夏休みなど行事に出られないことでまたどんよりとなってしまう。
気分転換に母の実家に旅行にでかける。
そこでは以前のように元気いっぱいの娘。実家の両親には学校に行ってないことは内緒だ。
単身赴任中の夫が数日帰ってくることに。
事が大きくならないように不登校のことは黙っていた。
「娘のことは私に任せて一切怒らず口を出さないで、」そう釘を刺しておいたので、父娘で楽しい数日間を過ごす。
夏休み明けが近づき、思い立ってカウンセリングに行く。
しかし娘は初対面の他人に心を開くわけもなく、ますます心がすさんでしまう。
新学期が始まる
これまで、心が弱ってしまった娘のために、ダラけも認め、好きなことをやらせ、旅行も連れていき、励まし、甘えさせ、母としてできる全ての事をやってきた。
なのに娘は「学校やめる」とまさかの退学宣言。
今までやってきたことは何だったのー!!!
甘い顔もここまでだ!、と無理矢理車に押し込め学校へ。
担任の先生が迎えに来るもシートに隠れて出てこない。
そこへ保健の先生が。この先生は1年生の時から知ってる先生だ。
保健の先生の声掛けで、窓から顔を出すように。
保健の先生が灯に
今まで暗闇を娘を引きずってさまよっていた。
そこでようやく見つけた灯が保健の先生だった。
娘は保健室登校をすることになった。
保健室登校初日、誰にも会わないように忍者のように保健室へ向かう娘。
校長室へ呼ばれる母。
校長先生からは半年かけて焦らず教室に戻りましょうと言われる。
来週には教室へ戻れると思っていた母は驚く。
保健室登校がはじまったものの…
保健室登校と言っても最初は30分だけ。
慣れたようなのでいいかと、2時間後に迎えに行ったらすっかり衰弱した娘の姿が。
校長が焦らずと言ったのが正しかったのだ。
次の日は一日休むことに。
娘が胃が痛いというのでかかりつけの小児科に行ってみることに。
今までは「お母さんがゆっくり話を聞いてあげて、薬は無しですよ」と言われるばかりだったのだけれど…。
保健室登校をしていることを話すと、1時間以上話を聞いてくれて自律神経を整える薬を出してくれた。
小さい頃からお世話になってる先生が登校拒否の子の治療に熱心なことがわかったのだ。
もっと早く来ればよかった…、とガックリくる母。
保健室に行く意味
保健の先生、校長先生、小児科の先生、と信頼のおけるプロに出会ったことで、目指す方向がわかり安心する母。
娘に保健室に行く意味を聞かれたので保健の先生に聞いてみると、
「本当のひきこもりにならないためです」
朝起きて1分でも保健室に来る、そうすることで規則正しい生活のリズムを作るきっかけになる。
娘は保健室でビーズ細工に熱中するようになった。
ビーズに集中するおかげか、いつしか給食の時間まで学校にいられるようになった。
そろそろ子どもと遊びたい
給食が終わって母と娘で帰る時、幼馴染のハル君とすれ違う。ハル君なら隠れて逃げなくても平気なようだ。
遠足や運動会、学校行事にはもちろんまだ出られない。
先生たち周りの大人が娘の心が回復するようになるべく他の子に会わないように守ってくれる。
でも、かれこれ何か月も娘の周りは大人ばかり。
幼馴染のハル君が時々保健室に遊びに来るようになった。
小児科でのカウンセリングの帰り道、娘がポツリと呟いた。
「みにくいアヒルの子って美しい白鳥じゃなくて本当はみんなと同じアヒルになりたかったんだよね」
なんのこと?と思っていると、
「本当は子どもと遊びたい、みんなと同じになりたいな」
娘の心の鍵が外れた気がした。
トントン拍子に進むと思ったが…
学校内で行われる「秋の作品展」にビーズ細工を出すことにした娘。
それが好評で先生たちから作品を頼まれるようになり、保健室に行くのが楽しみになる。
それからは友達数人も保健室に来るようになり、一緒に給食を食べる。
「このまま教室にポーンと行けるかも?」とふとよぎる母だが、校長先生から「焦らないように」と言われたことを思い出す。
このままの勢いで、学習発表会の全校合奏で笛を吹くことになる。
お友達が練習に付き合ってくれて笛は完璧。リハーサルにも体育館の一番後ろで出られた。
だが、本番直前になって「やっぱダメ」と泣き出し、結局出られなかった。
空から地上に叩き落されたぐらい衝撃を受ける母。親子共々どんより落ち込む。
「娘:死んじゃいたい」「母:死ね」
「商店街のムカデ競争に友達と出ることにした」と娘。
学習発表会のことがあったので倒れたりしないかと心配する母。
保健室の先生は「学校外のイベントの方がかえっていいかもしれませんよ」と後押しする。
ムカデ競争当日、一緒について行こうとする母を振り切って、友達と出かける娘。
こっそり見学に行くとそこにクラスメイトの母たちが。みんな心配してくれていた。
娘は無事、完走する。
そこからまた成長し、誰もいない教室で先生と2人で(時々ハル君も参加して3人で)勉強するようになる。
また一歩進み、教室でみんなと授業を1時間受けられるようになる。
このまま順調に進むかと思いきや、「やっぱり学校ヤダ」と逆戻り…。
「期待した私が悪かった」と心の中で呟きため息つく母に、
「もう死んじゃいたい」と娘。
母の怒りは爆発。本当に戦っているのは娘のわかってはいるけれど…。
「じゃあ死ね!」
「親のくせになんてこと言うんだ!」
と大ゲンカ。
翌日、ケンカを引きずってどんよりと娘を学校に送り、家に帰ったらぐったりして昼寝をしていると、娘からのお迎え催促の電話がかかってこない。
そしたらなんと娘が友達と歩いて帰ってきた!
また1つ、大きな山を越えた。
運命の3学期(最終回&結末)
ものすごくいい調子になったところで、冬休みに突入。
このまま新学期のどさくさにまぎれて学校に行って欲しい母。
そして運命の3学期初日。
「やっぱり学校行けない」
ガックリくる母。
そんな母を見て娘、
「明日学校に行けなかったらお母さんに一万円あげる」
今までになかったパターン。これはもしや娘自身が学校に行くことを決断してるのでは?
期待せず次の日を迎える。
とうとう娘が1人で学校に登校して行った!
「娘が学校に行きません」感想
確かに、主人公は恵まれている…
まず本書を読む前にAmazonのレビューを見たんですよ。
そこで気になったのがこの↓レビュー。かなり辛辣です…。
ウチは恵まれてました、って言う自慢話に感じてしまった。
我が家の場合、本書に出てくる様な先生やお友達からの積極的なアプローチなんてありませんでした。ひたすら親が働きかけ、適応教室へ通わせたり(要送り迎え)、仕事を抜けて親が走り回った感じでした。先生やお友達にあれほど、言葉は悪いですが、ちやほやされて、また戻れる居場所があるなんて、妬ましくて自慢話に思えてしまった。
読み終わってこのレビューを書かれた方の気持ちがわかりました。
確かにこの主人公娘、恵まれ過ぎてるんです!
出てくる先生、みんないい人ばかり。学校中の先生が娘1人のために動いてくれる。
いや~、現実はそんなワケないよねぇ。何も動いてくれないか、下手な動きをして余計に子どもを傷つけるか、どっちかでしょ?
そして同級生たちも、保健室に遊びに来たり、一緒に学校行事の練習に付き合ってくれたり…。
って、そんないい友達いたら最初から不登校になんないでしょ!
とつい思っちゃいます。
もしこれを不登校真っただ中の落ち込んでる時に読んだら「それに引き換え我が家なんて…」とますます落ち込んでしまいそうです。
ただこの話し、著者・野原広子さんの実体験を描いているそうで。
ということは本当は教師や子どもの友達から嫌な対応されてたとしても、それを描いたらその人に描いたことがバレちゃいますから、いいことしか描かなかったんじゃないでしょうか?
それでこんな風にいい人ばかりのお話になったのかなぁ?ってつい裏側を想像しちゃいます(笑)
不登校解決の参考になった?
あとがきに、
描くかどうか悩みましたが、あの頃の迷走してもがいていた私だったら「絶対に読みたい!」と思ったはず。
(中略)
もしこの本が、お子さんが学校に行けなくなって困っているお母さんやお子さんのほんのわずかにでも役に立つことができるなら本望です。
と書いてあるように、娘さんが学校に行けるようになるまでの様々な出来事が散りばめられています。
そこには作者の「過去の自分のように悩んでる人の役に立ちたい!」という強い思いが伝わってきます。
(で結局解決したのが、いい先生といい友達に恵まれていたからって感じなので、そこはいかんともしがたいんですけどね…)
ただ登場する先生たちの言葉はすごく参考になるし、娘さんの描写もさすが母親だけあってリアルです。
現実的に役立つノウハウ、というわけじゃないけれど、この本を読むことによって何かのきっかけにはなると思いました。
ストーリー漫画としても楽しめる
私も学校嫌いな子供だったので、娘さんの描写は「そうそう、そんな風に思ってた!」って子どもの頃の心情を懐かしく思い出したし、お母さんの右往左往してる様は「あるある~」って今の子育ての悩み(不登校ではないけど)にピッタリ当てはまるしで、単純に漫画として楽しめました。
作者の野原広子さんって、心情を「絵」で表すのが本当に上手いんですよね~。
例えば、導いてくれる保健の先生を「真っ暗闇の中、遠くで懐中電灯を振って『こっちだよー』と出口を教えてくれる人」に例えたり。
他には学校に行けなくなってしまった子どもを「傷だらけで海に入れないアザラシ」に例えたり。
ここまで「絵」で魅せる漫画家ってなかなかないんじゃないかな?
そして最後にこのアザラシちゃんが元気になって海でプカプカ泳ぐ描写は、本当に「じ~ん」ときちゃいました。
不登校に関心が無くても、ぜひ読んで欲しいです!
まとめ
「離婚してもいいですか?翔子の場合」で知った漫画家・野原広子さん。
その野原さんが2013年に発売したのが当作品。
今と変わらずズキっと心に刺さる描写が満載でした。
野原広子ファンは要チェックな作品ですよ~。
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